【2006年・兵庫】解体前の旧余部鉄橋を訪ねて。真っ赤な鉄橋と特急「はまかぜ」の記録

2006年の夏の旅の記録。

 

デジカメの画像を整理していたら、とても懐かしい写真が出てきました。

2006年の夏に訪れた、兵庫県香美町の余部鉄橋。

正確な訪問日は、今となっては分かりません。

ただ、夏の青い空と、青い日本海、そして真っ赤な鉄橋の写真を見ていると、あの日の景色が少しずつよみがえってきます。

当時、ニュースで「余部鉄橋が架け替えられ、やがて解体される」と知りました。

「この姿がなくなってしまう前に、一度見ておきたい」

そう思い、現地へ向かったのです。

「余部鉄橋」の記念碑

絶好の快晴。青い海と緑の山に映える真っ赤な鉄橋

現地に着くと、天気は絶好の快晴でした。

青く広がる日本海。

緑の山々。

そして、その景色の中に伸びる鮮やかな赤い鉄橋。

青と緑の中に真っ赤な鉄橋が浮かび上がる光景は、とても印象的でした。

旧余部鉄橋

旧余部鉄橋

当時、撮影ポイントとして知られていた高台の見学台に登りました。

ニュースで話題になっていたため、ある程度の混雑を覚悟していたのですが、驚いたことに、その場にいたのは自分一人。

まさかの貸し切り状態でした。

聞こえてくるのは、波の音と爽やかな海風。

静かな場所で、ゆっくりと余部鉄橋を眺めることができました。

 

旧鉄橋を渡る特急「はまかぜ」

高台でカメラを構えていると、ちょうど列車がやってくる時間になりました。

待っていると、遠くから列車の姿が見えてきます。

やってきたのは、特急「はまかぜ」。

しかし、実際に列車が鉄橋に差し掛かると、思っていた以上にスピードが速い。

「来た!」

そう思ってシャッターを切ったものの、撮影できたのはこれが精一杯でした。

旧余部鉄橋を渡る特急「はまかぜ」①

旧余部鉄橋を渡る特急「はまかぜ」②

旧余部鉄橋を渡る特急「はまかぜ」③

それでも、今でもその光景はよく覚えています。

青い空。

青い海。

真っ赤な鉄橋。

そして、鉄橋を駆け抜けていく列車。

ガタゴトと重厚な音を響かせながら、高い鉄橋を走り抜けていく姿は、とても迫力がありました。

写真を見返すと、当時の空気までよみがえってくるようです。

 

間近で感じた、100年の歴史

当時はまだ本格的な架け替え工事が始まる前でした。

現在と比べると、鉄橋の近くまで歩いて行くことができました。

線路脇に立つ「余部鉄橋」と刻まれた白い記念碑。

そのすぐ横からは、まっすぐに伸びる線路とトンネルを眺めることができました。

 

さらに鉄橋の真下へ回り、見上げてみます。

そこには、複雑に組み上げられた鋼鉄の骨組みがありました。

旧余部鉄橋

旧余部鉄橋

旧余部鉄橋

明治時代から長い年月にわたって、人々や列車を支えてきた鉄橋。

その歴史を、まさに目の前で感じることができました。

近くで見ると、その大きさと迫力に圧倒されます。

高台から見る美しい姿とはまた違い、真下から見上げる鉄橋には、長い年月を耐え抜いてきた力強さがありました。

 

20年後に見返す、あの夏の風景

先日、ふと思い立ってGoogleマップで現在の余部周辺の様子を見てみました。

現在は新しいコンクリート橋に架け替えられ、周辺もきれいに整備されています。

もちろん、新しくなった現在の余部も素晴らしい場所だと思います。

ただ、写真の中に残る2006年の風景を見ていると、

「あの頃の景色は、もう戻ってこないんだな」

と、改めて時代の流れを感じます。

あの夏に見た、快晴の空。

青い日本海。

緑の山。

そして、真っ赤な旧・余部鉄橋を駆け抜けていった列車。

その風景は、今でも忘れることができません。

デジカメの奥深くに眠っていた写真と、20年近く経ってから再会できたこと。

今回、写真を整理して本当に良かったと思います。

 

「いつか行こう」と思っている場所へ

今回、写真を見返しながら強く感じたことがあります。

「いつまでも、あると思うな親と金……そして、好きな景色や鉄道」

歴史ある建物も、慣れ親しんだ風景も、いつまでも同じ姿で残っているとは限りません。

「いつか行ってみたい」

「いつか見てみたい」

そう思っている場所があるのなら、少しでも時間に余裕があるうちに訪れておく。

それは、やはり大切なことなのかもしれません。

「いつか行こう」と思っているうちに、二度と見られなくなってしまうこともあります。

だからこそ、あの時、

「今のうちに見ておきたい」

と思って現地へ向かったこと。

そして、最高の天気の中で、旧・余部鉄橋の姿を自分の目に焼き付けておけたこと。

20年近く経った今、改めて良かったと思っています。

デジカメの中に残っていた、2006年の夏の記録。

写真を見返すと、当時の景色だけではなく、その時のことも少しずつ思い出します。

どのような気持ちで現地へ向かったのか。

どんな天気だったのか。

どんな風景を見たのか。

写真を撮った瞬間のことまで、時間を越えてよみがえってくるようです。

写真は、単に風景を残しているだけではないのかもしれません。

そこには、その時の自分が過ごした時間や、旅の記憶も一緒に残っている。

なくなってしまった風景だからこそ、写真に残っていることの大切さを、改めて感じました。

2006年の夏に見た、旧・余部鉄橋。

写真を見返すことで、あの日の景色と、あの日の自分に再会できたような気がします。

 

🚃 旅のメモ

  • 撮影場所:JR山陰本線 餘部駅(兵庫県香美町)